断熱性能を充分に高めれば快適な暮らしが待っている?
みなさん、こんにちは!
今回も、住まいの断熱性能の続きをお話しします。
断熱性能を充分に高めれば快適な暮らしが待っている?
充分に満足な断熱性能の住まいとは、ここでは仮にHEAT20 G2基準(6地域ではUa値=0.46以下)を満足する住まいとします。
長年の夢であるマイホームを手に入れたAさん。
これまで、マイホームづくりで失敗しないようにといろいろ勉強してきました。
「マイホームで大事なことは、1に耐震、2に断熱、3に耐久性。」などといつも口にしていました。
「耐震等級3を確保した構造。これは計算書まで確認した。」
「HEAT20 G2を満足する断熱性能。Ua値を確認した。」
「シロアリ対策、メンテナンスがしやすくコストが掛からない仕様。これも確認した。」
Aさんは、思い通りの家を手に入れたと満足できたようです。
さて、これで万全でしょうか。
30年、40年と住み続ける住まいとして、見落としていることは無いでしょうか。
実は、2つあります。
気密測定の実施と結露計算の確認です。
気密測定を行い住まいのC値を確認する
例えば6地域のG2基準で検討する場合、
断熱性能をUa値=0.46以下で設定しその仕様通り施工したとしても、
C値の確認ができないと意味がありません。
意味が無いと言っても全くゼロではありませんが、本来享受できるはずのメリットが受けられない事があります。
C値とは、住まいの「隙間」の割合を示したものです。
この数値が大きいほど「隙間」がたくさんあります。
どんな弊害があるかというと、
①底冷えが発生します。
暖かい空気は上へ動きますので、暖気が屋根の「隙間」から外に出ていきます。
それと入れ替わりに、床の「隙間」から冷たい空気が入ってきます。
これが底冷えです。
②空調機で冷暖房した貴重な空気が、勝手に外に漏れていきます。
光熱費のロスが生まれます。
③計画通りの換気が行われません。
特に第3種換気の場合、排気口から排出される換気量と同じだけの給気量が得られる設計を行っていますが、
「隙間」が多いと給気口以外からの空気が入り込み、空気の流れによどみが発生して計画通りの換気が行われなくなる危険があります。
(出展:エコハウス超入門 松尾和也著)
(出展:㈳北海道建築技術協会)
ほんの小さな隙間でも、空気は自由に動きます。
だからこそ、住まいの気密測定を行い安心できる数値であることを確認して、
底冷えが無く暖かい、そして光熱費の無駄のない快適な暮らしを送って頂くことが私の願いです。
C値の推奨値
一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会(HEAT20)は設計ガイドブック2021で、
C値の推奨値は、0.7±0.2㎠/㎡(新築時)と謳っています。
「もちろんさらに0に近づけて悪いことはありませんが、このレベルでの性能の競争に意味はなく、
0近くを達成するために少なくない労力やコストをかけているなら、その投資を他にふり向けた方がいいのではないかと考えています。」
とガイドブック2021に書かれています。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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