住まいの断熱性能の基準は何で決まる?
みなさん、こんにちは!
今回は、住まいの断熱性能の続きをお話しします。
住まいの断熱性能の基準は何で決まる?
前回お話しましたが、住まいにとって断熱性能はとても重要です。
私たちが、羽島市、岐阜市、大垣市やその周りの地域でお作りする住まいの断熱性能基準は、HEAT20 G2「Ua値=0.46以下」(※)です。
※HEAT20 とは、2009年に発足した
「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略称で、
各地域おいて冬期間、住空間の体感温度を 10℃~15℃以上に保ち、
冬期間の暖房負荷をH28年省エネ基準の住宅と比べておおむね30%以上削減し、
ZEH(ゼロエネルギーハウス)などの優れた省エネルギーを目指す住まいの推奨基準です。
今回は、なぜこの基準でお作りしているか、冬季を前提にお話しいたします。
部屋の温度は、大切な家族の健康に深く関わりがあります。
室温が下がると体調を崩しやすく、そして病気に罹りやすくなります。
その室温と健康との関係を、近畿大学の岩前先生が発表されています。
室温を暖かく保つことが大切なことはみなさんご存じです。
ただ、暖房をガンガンかければ良いじゃないか、という単純な話でない事はみなさんお気づきですね!
室温を上げるために暖房器具の温度設定をどんどん上げていくと、
暖房費がどんどん嵩むだけでなく、
温かい部屋と寒い部屋の温度差が一段と大きくなるばかりで全く快適ではありません!
断熱性能の選択のポイントは、
家族の健康を担保し、快適な暮らしを送る事が出来て、いかに工事費と冷暖房費の合計を抑えるかです。
下のグラフは、東京の住宅のリビングで1月23日から24日にかけて測定した室温の変化です。
23時に暖房をオフにすると室温は少しずつさがっていきますが、
断熱性能の違いによって室温の下がり方に違いがあります。
(資料:HEAT20設計ガイドブック2021 一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会 著より)
家族の健康を担保するために暖房が必要ですが、
次世代基準と言われている「平成28年基準」(Ua値=0.87)が一番多く暖房費が掛かります。
つまり、住まいの断熱性能を上げると暖房費を少なくすることができます。
しかし、問題は同時に断熱性能を上げた分の工事費が高くなる事です。
みなさんに知って頂きたいのは、
断熱性能の選択は、住まいに30年以上住むことを想定し、
断熱基準と、工事費(イニシャルコスト)と冷暖房費(ランニングコスト)のトータル額との関係を理解して判断することで大きなメリットが得られることです。
(資料:ホントは安いエコハウス 松尾和也氏著より)
注)資料では平成25年基準と平成28年基準が混在していますが、両者ともUa値=0.87が同じでグラフデータに齟齬はありません。
想定年数が長いほど、高断熱化により「工事費+冷暖房費」のトータルコストが下がり、
高断熱化して工事費に投入することが有利に働くことが分かります。
マイホームの第1次取得層のみなさんは、将来を考えて断熱性能の選択を間違えないように検討することが、
家族の健康、快適な暮らし、家計のメリットが最大にできるわけですね!
最後までお読み頂きありがとうございました。
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